2015/10/24

中国③成昆線その3 双子ループの片割れ

  • 楽武
成昆線は世界最大規模の両河口・韓都路ループを超えると、長いトンネルに入ります。これが沙馬拉達トンネル、全長は6300mで1966年の開通です。シャマラーダと発音すると思うのですが、これはいわゆる中国語ではない現地の少数民族の言葉でしょう。沙羅双樹につられてなのか、なんとなくインドっぽいイメージを連想しますね。

このトンネルを境に水域が金沙江水域から大渡河水域(最終的にはどちらも長江水域なのですが)に移り、成都に向かって下り坂になります。その長大トンネルの出口側(成都側)にあるのが楽武ループです。楽武は中国語読みではルーウーです。

非常にきれいな線形の3層ダブルループです。最後に上段と中段の下をループでまとめてくぐり、対岸に渡って行きます。

こういう峠の前後をループ線が挟む形の線路は世界中に何か所かあります。日本の上越線の湯檜曽・松川の二つのループ線もそうですね。双子ループとでも呼びましょうか。この双子ループの目的は単純明快で、峠を越える際にトンネルを掘る距離を短くすること、これに尽きます。

従って土木技術が発達して長いトンネルが掘れるようになると、このようなループ線は作られなくなります。上越線も複線化に際して新清水トンネルを掘りましたが、単線トンネルだったために旧線も残されました。これはラッキーだったと言うべきでしょうか。もし新清水トンネルが複線で作られていれば、ループ線は廃止されていたことでしょう。

成昆線の沙馬拉達トンネルは竣工当時中国最長の鉄道トンネルでした。ところが2015年現在では100位にも入りません。現在中国では10km以上の鉄道トンネルが82本もあり、もはや20kmぐらいのトンネルは珍しくなくなりました。

成昆線で輸送力増強を考える場合、長大複線トンネルでこの峠部分のショートカットを真っ先に考えても不思議ではありません。前回ご紹介した両河口・韓都路ループとこの楽武ループは決して安泰とは言えません。なんせ作ると決めたら数年であっという間に作ってしまう中国です。興味のある人は早めに乗っておくべきじゃないかと思います。



次回は成昆線最終回です。

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