2015/10/21

中国②成昆線その2 成昆線のハイライト超大規模複合ループ

  • 成昆線のルート 
成昆線のルートを地図でたどってみると「なんでわざわざこんな難しいルート選定したの?ドMなの?」と思ってしまいます。ためしに地形図に路線を落としてみました。

基本的に昆明は伏せたお椀のてっぺんのような場所ですので、いずれかの川沿いを下っていけばごく自然に成都のある四川盆地にたどり着くことになるのですが、なぜ成昆線は昆明から近い普渡河や功山という町沿いに流れる川を下らなかったのでしょう。

これは長江の本流(図中の太い赤矢印。このエリアでは金沙江と言います)が大涼山脈を横切るおよそ100キロ区間の地形があまりに厳しすぎたのだろうと推測できます。衛星写真で見てみると1000m近い深さの谷が延々と続き、道路ですらろくにありません。これなら遠回りでも比較的広い谷を長区間たどれる西側のルートを選定するのも頷けます。とはいえ、それはあくまで比較の話であって、西側を通る現ルートも実際は随所に難所をちりばめた超難工事になっています。開通当時は相当な祝賀ムードになっていたようで、インターネット上にたくさんの写真が残っています。

結局、成昆線は昆明から最初300kmが下り、途中雲南四川の州境から350kmが上り、最後の350kmが大渡川沿いの下りという線形ということになります。下り坂が300km続くとかさすが中国はスケールが違います。


  • 両河口・韓都路
さて、昆明から安寧河を上ってきた成昆線が、大渡河流域に出るための山越えをするのが、両河口、韓都路の二つのループ線です。全長21キロ、高低差は200mあり、世界有数の大規模なループ線です。 このループ線の特徴は何と言ってもその規模なのですが、ループ内に駅が4つもあることが特筆されます。

特に新涼駅と鉄口駅の間は直線距離で300mほどしか離れていないため、 両駅に止まる列車から一旦降りて、駅間を走って同じ列車に乗りなおすことができそうに思えます。両駅に止まる普通列車は上下1日1本ずつです。

成昆線は結構鉄道ファンには有名で、過去何人もの日本からの趣味人がここを通過しているはずなのですが、ブログ記事などはあまり見当たりません。これは成都昆明を直通する特急に乗ると、どちら向きに乗っても高確率でこの区間の通過が夜間になってしまうためだと思います。これはもったいないですよね。

もし、これから成昆線に乗りに行くという人がいらっしゃいましたら、昼間に通過できるようにスケジュールを調整してみるのがいいと思います。


長くなりましたので、続きは次回に。

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